アンバーマリーチ考(推論)
- Lorina Martin
- 2016年11月20日
- 読了時間: 4分
邪視の呪いから身を守るというナザールボンジュウ...中東の街では、いたるところでこの目玉の飾りを見ます。

この話題もたまに出ますが、本編中でワグラムよりも謎の多い人物、セラパレス公クーバインについて考えてみようと思います。
クーバインは、10歳そこそこであの大国を治めています。
歴史上にも少年王という存在は珍しいものではなく、それだけでは特筆すべきところはないのですが、
先代から家に仕えるような寵臣・摂政の存在はうかがえません。
同じように若いダヴィッド自体も侯爵位を継いだときには、エマやトルガルなどの先代からの寵臣が政治をサポートしているはずです。
しかし、クーバインに関しては、本人がほぼ一人で領土を治めているような雰囲気です。
大抵、このような後ろ盾がない幼王が継承すると、操るなり打ち倒したりして権力を得ようと考える人間も出てきます。
バイオレットもその一人です。彼女はそこまで本気ではなかったようですが。
ちなみに、ニールセン男爵には叛意は全くないと思われますが、そこまで忠誠を誓っている訳ではなさそうですし公爵の後ろ盾には男爵ひとりでは明らかに不足でしょう。
そんな状況下で、クーバインは自分自身の決断でバイオレットのような叛意を持つものを処断していきます。
並みの判断力や、胆力ではありません。
それは、アンバーマリーチの力によるものであると考えたほうが自然です。
ここで、アンバーマリーチのもたらす作用として思いつくものは二つあります。
変身能力(おじいちゃんが若くなっている)
すごい人工知能(過去記憶、未来予測、意思決定)
変身能力は、フレーバーテキストの中で言及されていますが、自由に変身できるのであればわざわざ10歳前後に変身する理由がありません。20歳から30歳から歳をとらない、というのであれば理解できるのですが。なので、私個人としては、アンバーマリーチは優れた人工知能ではないかと考えています。では、そんなすごい人工知能を持っていた彼の家族がいない理由について考えてみると、まず、暗殺はされようがありません。であれば、契約の副作用として寿命を、それもゲイボルグよりもえぐいスピードで吸い取っていく可能性が考えられます。仮にアスラム侯爵家が40代ならセラパレス公爵家は30代のイメージです。そのような、主を使い捨てるアンバーマリーチを想定すると、それゆえにコラプスが発生しやすくなると考えられ、
神祖皇帝がアンバーマリーチを見つけたときには、ほぼほぼ生贄にする勢いで、特に忠誠心の高い部下に契約させたのだろうという想像すらついてしまいます。
その代わりに、あの、別大陸との玄関口にもなりそうな立地のよいセラパレスと公爵位を与えられているのではないかと。
場所と役割的には、モデルはイスタンブルの気がしますね。冒頭の目玉みたいな飾りが沢山あるのも、マリーチの目玉が浮かぶ街並みと重なるので。
そして継承するともれなくアンバーマリーチに説得されて自分の意もそこそこにそのまま政治しながら跡継ぎを探すロマサガ2の皇帝みたいな存在になっちゃうんじゃないか(ここまでほぼ妄想)
余談ですが、マリーチという存在は、サガフロンティアから登場しています。元は、摩利支天という仏教系の護法の神さまになります。摩利支天は天部の神さまのうち、日天の眷属で太陽光と戦での勝利を象徴しています。
道教の斗母元君という、寿命を司る神でもあったりします。
マリーチの「目玉がたくさんついたイメージ」は伝承にはなく、せいぜいが三眼で、これはサガ特有の味付けなのですが、十数年が経って創作物のマリーチの設定にフィードバックなされたようで、
林トモアキ氏のラノベ、お・り・が・み、やミスマルカ興国物語に出てくるマリーチというキャラは「目、邪眼の魔人」というモチーフになっていますね。
このマリーチも、全てを見通し、未来を予見するという能力をもっています。そしてヤバいやつ。ヤバいやつ。
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